TRPGシナリオ

オリジナルシナリオ01:赤箱(あかばこ)
以下をクリックすると各段落まで移動します。 ・シナリオ概要導入とシナリオの流れ神話生物NPC情報舞台背景と裏設定
シナリオ概要
PL人数:1人 所要時間:1〜1時間半(ボイスセッション) 難易度:★☆☆☆☆ 推奨技能:<目星><聞き耳> 戦闘:可能性あり 使用ルルブ:基本ルルブ(第6版)、クトゥルフ2010 KP、PLともに初心者向きだと思います。 エレベーターを起点としたクローズドシナリオです。 KPは戦闘があることをPLにあらかじめ伝えてください。 ※クローズドシナリオとは どこかに閉じ込められる等、限られた空間で行動するシナリオです。
導入とシナリオの流れ

【導入】

とある休日。「あなた」は町に出かけた。 いつもと変わらない日常。買い物のためにビルへ入りエレベーターへ。 目的の階を押すと静かに動き出す鉄の箱。 しかし、そこへ到着する前にふと周囲が暗くなり「あなた」の意識は遠のいた。 次に目を覚ましたとき、「あなた」は見慣れないエレベーターのなかに居た。 ----------------------------------------------------------------- 探索者に合わせて導入はアレンジしても大丈夫です。 「エレベーターに乗る」という条件さえ満たせばシナリオに移れます。

【chap.1 エレベーターの中】

エレベーター内部の情報は以下の通りです。 ●全体的に暗く、うっすら内部を確認できる程度。 ●階のボタンは乱雑に配置されていて「1F」「4F」「9F」「13F」が薄く点灯している  「1F」だけ色が他と違う。押しても反応しない。 ●非常用はしご等の設備はなく、非常呼び出しを押しても応じない ●現在PCのいる階は不明 PLが<目星><聞き耳>等をしてもこれ以上の情報は出ません。 KPはPLに対して「4F」「9F」「13F」から1つ選んでもらいます。 選んだらその階へ移動します。 設定上、このエレベーターは現実のものと異なり 垂直に各階が配列されているわけではありません。 そのため多少乱暴に移動します。 「4F」「9F」「13F」の上下関係は数字のとおりですが、 距離は数字のイメージよりもかなり近いです。 「1F」へいくには一定の条件(【chap.3 脱出】参照)が要りますが 他のフロアへの移動は自由に出来ます。

【chap.2 フロアへ移動】

エレベーターを降りるとマンションのフロアに近い印象を受けます。 ただ普通のマンションに比べると天井がやや高めです。 しかし壁は赤黒く、空気もどことなく重く感じます。 PCはこの雰囲気に圧倒されます。 ◆SANチェック 0/1 (このチェックは『どこかのフロアに初めて降りたとき』だけです) 4F ◇1の部屋 外から持ち込まれたと思われる瓦礫や鉱石が積まれています。 <目星>成功で『木製のバット』(25%、1D8+db、耐久20)が手に入ります。 ◇2の部屋 外から持ち込まれたと思われる瓦礫や鉱石が積まれています。 周辺を観察すると、死体がいくつも横たわっていることに気付きます。 なかには頭がまるごと無くなっているものもあります。 ◆SANチェック 0/1D3 (9Fで先に金属の筒を調べていた場合:◆SANチェック 1/1D4) 死体に<目星>をして成功した場合、手首に巻かれた『鎖つきのプレート』に気付きます。 さらに調べると、よく分からない模様がプレートに描かれています。 それを見ていたPCはだんだん気分が悪くなってきました。 ◆SANチェック 0/1(9Fで既に調べていた場合はチェックしない) そしてPCは自分の左足首に同じものがあることに気付きます。自力では外せそうにありません。
9F ◇1の部屋 金属の筒がいくつも置かれています。 <目星>に成功すると、そのなかに人間の脳が様々な装置と入っていることに気付きます。 ◆SANチェック 1/1D3 ◇2の部屋 外から持ち込まれたと思われる瓦礫や鉱石が積まれています。 <目星>成功で『ナイフ』(25%、1D4+db、耐久9)が手に入ります。 ◇3の部屋 小学1、2年生と思われる少年がいます。(詳細は『NPC情報』を参照してください) 少年に<目星>をして成功すると、首から『鎖つきのプレート』を下げていることに気付きます。 少年自身は身につけていることに気付いていません。 さらに調べると、よく分からない模様がプレートに描かれています。 それを見ていたPCはだんだん気分が悪くなってきました。 ◆SANチェック 0/1(4Fで既に調べていた場合はチェックしない) そしてPCは自分の左足首に同じものがあることに気付きます。自力では外せそうにありません。
13F ◇1の部屋 『ペンチ』が置かれています。 『鎖つきのプレート』を外すには、これで鎖を切る以外ありません。 ◇2の部屋 『ミ=ゴ』がいます。この部屋に入ったら戦闘ラウンドに移行します。 (戦闘ルール及び『ミ=ゴ』については『神話生物』を参照してください) ◇3の部屋 特になにもありません。
※フロア全体を通して※ ●少年の存在 最初に「4F」にきた場合は「上のほうから人の泣き声が聞こえる気がする」 最初に「13F」にきた場合は「下のほうから人の泣き声が聞こえる気がする」と PLに伝えてください。 これに対して<聞き耳>を行い、成功した場合 「上から(下から)少年の泣き声が聞こえるのが分かった」と伝えてください。 ●『ミ=ゴ』の出現 PCが部屋を3つ(目安)調べたら KPはPLの<幸運>でシークレットダイスを振ってください。 失敗した場合、4F・9Fに居るならエレベーターから、 13Fに居るなら「2の部屋」から『ミ=ゴ』が出てきます。 ●部屋の構造について 部屋は教室くらいの広さで窓はありません。 中は『ミ=ゴ』が倉庫代わりに使っているので収集した瓦礫や鉱石ばかりです。 なお、廊下にも窓はありません。

【chap.3 脱出】

脱出要件は 『鎖つきのプレート』を切り離した状態でエレベーターに乗り「1」を押すことです。 KP判断で、PCがエレベーターに乗った時点で押したことにしても大丈夫です。 少年を連れている場合は少年のプレートも切り離している必要があります。 『ミ=ゴ』は倒さずに逃走してもクリアできます。

【エピローグ】

<エンディングA:PCと少年が無事脱出> エレベーターに乗るとここへ来たときと同じように意識が遠のいた。 次に目を覚ましたとき、「あなた」はビルのエレベーターに乗っていた。 先ほどまで居た暗い箱ではない、普通のエレベーター。 目的の階に着いたアナウンスと扉の開く音。 「あなた」はフロアに輝く照明と人々の声を確認すると、戻ってきたんだと実感した。 後日、テレビのニュースであの時助けた少年が保護されたことを知る。 とあるデパートで行方不明になり捜索願が出されていたが、 そのデパートのエレベーター近辺にいるところを発見された。 警察は少年に事情を聞くとともに捜査を続けるという。 事件の真相はきっと誰にも分からない。 けれど少年が無事だったことが分かり、「あなた」は安堵した。 クリア報酬(SAN値回復) 「無事生還」:1D6 「少年を助けた」:1D3 「『ミ=ゴ』を倒した」:1D3 <エンディングB:PCのみ無事> エレベーターに乗るとここへ来たときと同じように意識が遠のいた。 次に目を覚ましたとき、「あなた」はビルのエレベーターに乗っていた。 先ほどまで居た暗い箱ではない、普通のエレベーター。 目的の階に着いたアナウンスと扉の開く音。 「あなた」はフロアに輝く照明と人々の声を確認すると、戻ってきたんだと実感した。 ●少年に会っていた場合 後日、テレビのニュースであの時出会った少年が行方不明であることを知る。 デパートのエレベーター付近で両親が目を離した隙に居なくなったという。 「あなた」は少年が自分と同じようにあの空間に迷い込んだのだと気付いた。 しかし、もう少年を助けることはできない。その事実が「あなた」の心に影を落とした。 ●少年に会っていない場合 後日、テレビのニュースであの時出会った少年が行方不明であることを知る。 デパートのエレベーター付近で両親が目を離した隙に居なくなったという。 それを聞いて「あなた」は自分と同じようにあの空間に迷い込んだのではないかと考えた。 確証はない。けれど、心のどこかがざわつくのを感じた。 クリア報酬(SAN値回復) 「無事生還」:1D6 「『ミ=ゴ』を倒した」:1D3 <エンディングC:PC死亡> 世間では「あなた」は行方不明という扱いを受け、捜索願が出された。 しかし「あなた」が見つかることはない。永遠に。
神話生物
【名前】 ミ=ゴ 甲殻類のような胴体。 その横から関節肢が数組伸びており、背中からは膜のような翼が生えている。 頭部と思われる部分には短い触手に覆われた渦巻状の楕円形があるのみだった。 ※基本ルルブの説明を簡潔にアレンジしたものです 【正気度喪失】 0/1D6 一時的狂気の可能性があるので KPはあらかじめチェックしておくといいでしょう。 【ステータス】 STR:10 CON:10 SIZ:10 INT:13 POW:13 DEX:9~11 耐久力:8~10 平均db:0 DEXと耐久力以外は基本ルルブの平均値です。 上記の2点はPCのステータスを見て調整してください。 【特徴】 「ミ=ゴ」は装甲を持っていません。 しかし貫通する武器は最小限しかダメージを受けません。 このシナリオでは『ナイフ』が該当します。 つまりナイフ攻撃で最大値を出しても、1ダメージしか与えられません。 【攻撃】 <ハサミ> 40% ダメージ 1D3 <組み付き> 15% ダメージ 1D6 成功後、次のターンで飛び上がりPCを床に落とします。 落とされたとき<回避>することはできず、<跳躍>に成功すれば1D6分ダメージが減少します。 ※攻撃に関する特殊ルール KPは「ミ=ゴ」で攻撃するとき、 技ではなく攻撃の意思だけ宣言して1D100を振ります。 その結果を以下のように判断してください。 41~100:攻撃失敗 16~40:<ハサミ>成功 01~15:<組み付き>成功 <ハサミ>の処理は行わない 【逃走する場合】 PLのターンでPCと「ミ=ゴ」でDEX対抗ロールを行い これに成功した場合PCが逃走できたものとみなします。 【戦闘のハウルスール】 ●<組み付き>の取り扱い 『ミ=ゴ』の<組み付き>が成功した場合、PLは以下の3つから行動を1つ選択します。 1:「<組み付き>による受け流し」 2:「近接戦武器による『対抗』」 3:「<幸運>ロールによる<組み付き>の回避」 ●PCは1ラウンド中に攻撃を1回、回避or受け流しを1回できるものとします。
NPCについて
STR:6 CON:8 SIZ:6 INT:8 POW:12 DEX:8 耐久力:7 SAN:60 技能 <応急手当>5% <回避>46% <隠れる>40% 小学1、2年生くらいの少年。 両親とデパートに買い物に来ていたときに エレベーターに乗った際、PCと同じように異空間に飛ばされてきた。 訳もわからず9Fを押し、降りたものの出口がなく困り果てて「3の部屋」で途方にくれていた。 身体能力は高くないので、気をつけないとケガをする恐れがあります。 『ミ=ゴ』に遭遇したら少年もSANチェックを行います。
舞台背景と裏設定
どこかの廃屋を『ミ=ゴ』が採掘の拠点として活用。 採掘した鉱物置き場と手伝わせる人間の収容を兼ねている。 ニャルラトホテプが1枚噛んでおり、人を無作為にここへ送り込んでいる。