TRPGシナリオ

オリジナルシナリオ03:遊び場の誘い
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シナリオ概要
PL人数:1人 所要時間:1〜1時間半(ボイスセッション) 難易度:★☆☆☆☆ 推奨技能:<目星><聞き耳> 戦闘:なし 使用ルルブ:基本ルルブ(第6版)、クトゥルフ2010 遊園地を舞台にしたクローズドシナリオです。 戦闘要素はありません。 ※クローズドシナリオとは どこかに閉じ込められる等、限られた空間で行動するシナリオです。
導入とシナリオの流れ

【導入】

PCが目を覚ますと、暗い空間にいた。 先ほどまで自分は外にいた気がするが、思い出すことができない。 徐々に目が慣れてくると、そこが倉庫のような場所だと想像できる。 箱が積まれているだけで、他は特にない。 中身を確認すると掃除道具などの備品が入っている。 (これらの確認にはスマホなどの明かりが必要) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【chap.1 影と遭遇】

入り口のドアが開き、外から人が入ってくる。 外からの光は弱く、ぼんやりとしたシルエットだけが分かる。 (しかし倉庫のなかをある程度確認できる光である) だんだんPCに近づいてくる。すると、それが人ではないことがわかる。 全体が黒いモヤでできていて、人の形を成している。 黒子の頭巾のようなものを被っており、顔にあたる部分には何かの模様が描かれている。 (この模様は遊園地のロゴデザインであり、クトゥルフ神話とは関係ない) この姿を見たPCは◆SANチェック 1/1D3 以下、この存在を『影の人』と表記する。 影の人は男性とも女性ともつかない声でPCにたずねてくる。 「お客さん、困ります。ここは関係者以外立ち入り禁止です。チケットを見せてください」 PCはこの時点ではチケットを持っていません。 影の人は続けます。 「それでは困ります。仕方がないので、貴方の一部と引き換えにしましょう」 「『片目』『片耳』『片腕』のどれかとチケットを交換しましょう」 ここでPCは3択を迫られ、どれかを選びます。 リアルタイムで『3分間』の時間制限があり、それまでに選ばなかった場合はKPが選択してください。 KPは「それぞれの能力に関わる部分にマイナスがかかる」といった ニュアンスを先に伝えてから3分間測り始めてください。 選択結果は以下の通り。 ●「片目」を差し出す場合 <目星>判定に-20%の下方修正 目玉を失うわけではなく、あくまで片方の視力を失った状態になる。 ●「片耳」を差し出す場合 <聞き耳>判定に-20%の下方修正 耳本体を失うわけではなく、あくまで片方の聴力を失った状態になる。 ●「片腕」を差し出す場合 STRを-2する(ただし最低値は3とする) 腕本体を失うわけではなく、片腕を動かすことができなくなる。 以降の行動はすべて残された片腕で行うものとする。 いずれかを選択すると、影の人がさらに近づき、PCの肩に手を置く。 すると該当する箇所の感覚が一気に遠のき、機能が消失するのを感じ取る。 この不可思議な事態とそれに対する恐怖により◆SANチェック 1D3/1D6 影の人が一旦PCと間を取ると、ポケットからチケットを取り出す。 「ありがとうございます。これで『施設内』を楽しんでください」 チケットには日付が印字されているようだが、掠れて読めない。 スタンプを押す箇所が3つ確認できる。 「今回は特例ですので『施設内』を無制限に利用できません」 「1つのアトラクションにつき1回使用できます」 「また、本日のみ利用可能です。ご了承ください」 そういって影の人は頭を軽く下げると、倉庫の外へ消えていった。 ※スタンプの場所が3つあるので3回利用できるということです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【chap.2 『施設内』の探索】

倉庫から出て、広場まで移動すると、そこは遊園地のように思えた。 しかし全体的に重い空気が漂っている。 薄暗い明かりに照らされた空間は禍々しく感じられた。 人々が行き交っているが、 どれも先ほど出会った影の人と同じように黒いモヤでできている。 ただ悪意も敵意もなく、純粋に遊園地を楽しんでいる客のように見える。 広場の中央には時計が建っている。 しかし針が一本のみで、動いているのは確かだが現在時刻は分からない。 (PCの腕時計あるいはスマホの時計は止まっていて、役に立たない) 次に『施設内』の各アトラクションについて。 これらはPCの視点では 広場から見て「なんとなくその姿から、アトラクションを想像している状態」である。 それぞれの場所で1d10を振り、『並んでいる人数(組数)』を決める。 これが待機時間に影響する。 アトラクションへ移動するとき『1d20分』経過する。 時間が一定でないのは、この空間自体が歪みを帯びているから。 このダイスはKPがシークレットで振る。 PLに詳細を尋ねられたら「移動時間」だと伝えてもよい。 ただし時間まで答える必要はない。 ●「お化け屋敷」  所要時間:30分 待機時間:1組につき『+1分』 道中の仕掛けは古典的なものばかりで、それほど驚くものはない。 ただ<目星>あるいは<聞き耳>に失敗すると 不意を突かれ、思わず驚いてしまう。 ◆SANチェック 0/1 ●「ジェットコースター」 所要時間:5分 待機時間:6人乗りのため、6人以上で『+5分』 全体的に錆ついているように感じる。 カタカタと昇り、急降下。そして進み続ける車体。 <聞き耳>判定に成功すると ミシミシというおよそ聞こえてはならない音を聞き取る。 「これはもしやコースそのものが折れるのではないか?」という恐怖を感じる。 ◆SANチェック 0/1 ●「観覧車」 所要時間:15分 待機時間:1組につき『+1分』 天辺まで昇って降りてくるだけで、仕掛けは特になにも無い。 乗っているときに<目星>に成功すると、 『施設内』にだけ薄明かりが灯っていて 外は暗闇に包まれているのが分かる。 ●「コーヒーカップ」 所要時間:5分 待機時間:カップが6つなので、6組以上で『+5分』 懐かしいデザインのコーヒーカップ。 スタートするとカップが異常な速度で回転を始める。 <幸運>判定に失敗すると、カップ停止後に激しい嘔吐に襲われる。 PCは具合が悪くなり1D3 x 10分(10分or20分or30分)を回復に費やす。 ●「ゴーカート」 所要時間:10分 待機時間:1人につき『+3分』 古めかしいデザインのカートを運転して、設置されたコースを一周する。 <運転>判定に失敗すると、縁に乗り上げ壁に激突。『耐久力 -1』。 どの施設でも終了後に係員の影がスタンプを押し 「楽しんでいただけたなら何よりです。オーナーも喜ぶことでしょう。ぜひ感想を伝えてください」 と一言一句変わらないことを言う。 KPは2つ目以降のアトラクションで 「係員の影は1つ目と全く同じことを言っている」と説明してもよい。 ------------------------------------------------------- ◆「出入り口」 入場・退場ゲートとそれを管理する建物がある。 ゲートは閉じられているが、窓には人影がある。 近づくと黒い影でできた存在だとわかる。以下、『受付』と表記する。 受付はPCに気づくと声をかけてくる。 「この遊園地はどうでしたか?」 ここで『キーとなる発言』をしない限り、脱出できない。 『キーとなる発言』については【chap.3 脱出】参照。 受付は基本的にこの発言のループになるが、 チケットの使い方や『施設内』のアトラクションなど、 『施設内』に関わることであれば、ある程度対応できるものとする。 ※遊園地とPC PCが遊園地と縁があっても不自然でないならば 『過去に行った事がある』としてもよい。 その場合、これらはシナリオ内で<幸運>や<アイディア>で判明する。 また<幸運>や<アイディア>で 「なんとなく知っている気がする」程度の気づきでも構わない。 前提ではこの遊園地に対してPCは 「廃園になっている状態をたまに見かけたことがある」としている。 そのため、遊園地とPCの関わりをどうするかはKPに委ねる。 (上記の処理は一例) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【chap.3 脱出】

脱出要件は 受付の「この遊園地はどうでしたか?」という問いかけに対して 『楽しかった』『オーナーにもそう伝えてほしい』という2点を話すこと。 『楽しかった』だけではダメです。 ※※↓ シナリオの留意点 ↓※※ ここで『時間制限』が発生する可能性があります。 受付への問いかけは3回まで時間無制限です。 (チケットを使い切ったあとの話です) 3回目でも脱出要件に満たなかった場合、突然どこからか怪しげな音が響き 「まもなく閉園時間です。まもなく閉園時間です」とアナウンスが入ります。 ここで『残り時間』を計算します。 90分 - (アトラクションで費やした所要時間・待機時間 + 移動時間 + その他) KPはPLに『制限時間が設定された』という旨を伝えてください。 計算の結果、90分を超えてマイナスになった場合は 『残り時間』を3分もしくは5分に設定してください。 ※※↑ シナリオの留意点 ↑※※ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【エピローグ】

<エンディングA:無事脱出> 「そうですか。ありがとうございます。オーナーも喜ぶことでしょう」 そういうと受付がゲートを開ける。 「あなた」はそこを抜けて外へと向かう。その途端、意識が途切れる。 次に目を覚ましたとき、病院のベッドで横たわっていた。 それに気づいた看護師が声をかけてくる。 「具合は大丈夫ですか?」 「あなたが急に道端で倒れたと通報があって、ここに運び込まれたんです」 倒れた場所を聞くと廃園になった遊園地の近くだという。 どうやら、引き込まれてしまったらしい。 あの空間で奪われた部分は完全に回復して、違和感もない。 目も、耳も、腕も、まったく問題ない。 念のため数日入院を勧められた。 もうすぐ、日常に戻る。 <エンディングB:脱出失敗> 「まもなく閉園時間です。まもなく閉園時間です」 アナウンスが大きくなる。受付との問答は終わらない。 やがて、そのときはやってきた。 周囲がだんだん黒く染まっていく。 視界が曇り、聞こえる音も遠のいてきた。 「まもなく閉園時間です。まもなく閉園時間です」 アナウンスが遠のく。意識が落ちるのも時間の問題だろう。 「あなた」は永遠にこのなかを彷徨い続ける。
NPCについて
●影の人について 影の人はSTR・DEXなどのステータスが40なので 力勝負や逃走など、自動失敗になります。
舞台背景と裏設定
かつては活気のあった遊園地。 オーナーは優しく慕われる人物だったが、経営難により廃園。 その無念が生み出した幻影の遊園地。